高齢者の事故の”約8割”は家の中で起きています

「家の中は安全」と思いがちですが、実はご高齢の方にとって、住宅内は意外なほど多くの危険が潜んでいる場所です。

とくに多いのが、「転倒」「つまずき」による事故です。
厚生労働省のデータによれば、65歳以上の高齢者の事故の約8割が住宅内で発生しているという統計があります。

日常生活のなかにある段差や滑りやすい床材、手すりのない階段や浴室。
そういった“ちょっとした不便”が、大きなけがや入院につながることも少なくありません。

◆ たとえば、こんな場面にご注意を

以下に、日常の中で起こりうる2つの事例をご紹介します。
いずれもよくあるシーンですが、ちょっとした対策で事故のリスクを大きく減らすことができます。


ケース1|浴室での転倒リスク

浴槽をまたぐ際にバランスを崩して転倒。
浴槽の縁が高く、足をしっかり上げるのが難しいことが原因となることがあります。

浴室は「湿気」「温度差」「滑りやすさ」というリスク要素が重なりやすい場所です。
また、身体の自由が利きにくくなると、ほんの数センチの段差でも大きな障害につながることもあります。

▼ こうしたときの対策:

  • 浴槽手すりの設置
     出入りの際にしっかりつかまれることで、バランスが取りやすくなります。
  • シャワーチェアの利用
     立ったままでの動作が難しい場合には、座っての入浴が安全です。
  • 滑り止めマットの活用
     床面の転倒リスクを減らすため、しっかりとしたグリップのあるマットを敷きます。


これらの用具の多くは、介護保険制度のレンタル・購入補助対象です。
経済的な負担を抑えながら、安全性の高い浴室環境を整えることができます。


ケース2|夜間のトイレ移動でのつまずき

夜間、トイレに向かう途中の廊下で足元が見えず転倒。
廊下の段差に気づかず、つまずいて手をついた際にけがをすることがあります。

夜は視界が悪く、特に眠気がある状態では足元への注意が散漫になります。
また、ご高齢の方にとって夜間の移動は、足の筋力やバランス感覚の低下によって、思わぬ危険がひそんでいます。

▼ このようなときの対策:

  • 人感センサー付きの足元灯の設置
     暗闇での移動に備え、自動で点灯するライトを廊下やトイレ周辺に設置します。
  • 手すりの取り付け
     廊下やトイレ前に手すりを設置することで、安定した移動が可能になります。
  • 敷居や段差の解消(住宅改修)
    小さな段差も、つまずきの原因になります。住宅改修でフラットな床にすることでリスクを軽減できます。


これらは「転倒予防」の観点だけでなく、ご本人が「自分の力でトイレに行けた」という自信にもつながります。
精神的な自立を支えるためにも、こうした小さな工夫がとても大切です。


◆ 数字で見る高齢者の住宅内事故

厚生労働省の調査によると、以下のようなデータが報告されています:

  • 65歳以上の高齢者のうち、年に1回以上転倒を経験する人は約3人に1人
  • 転倒が原因で入院した人の約7割は、自宅内での事故

つまり、「外出先より家の中の方が危ない」という現実があるのです。

◆ 住まいの工夫は「自立支援」の第一歩

私たちが目指すのは、ただのバリアフリーではありません。
ご本人ができるだけ「自分らしく暮らせる住まい」をつくること。
それが、家族の介護の負担を減らし、日々の生活に安心と笑顔を届ける一歩になると考えています。

介護が必要になってからではなく、「まだ元気なうち」からの備えとして、
住まいの見直しや福祉用具の導入を検討されてみてはいかがでしょうか?

◆ ご相談はお気軽に

当社では、介護保険を活用した住宅改修を専門に行っております。
ご本人の状態や生活スタイルに合わせて、無理なく取り入れられる住まいの工夫をご提案いたします。

「こんなこと相談していいのかな?」と思うことでも、どうぞお気軽にお問合せください。
安心して暮らせる住まいづくりのために、私たちが全力でサポートいたします。

介護保険での住宅改修を検討する際には、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富なプロが適切な工事内容をご提案します!